KAKINUMA Chie -Sculpture works

カノボスの壺

「カノボスの壺」とは古代エジプトでミイラの内蔵を納める壺です。

私は架空の女の子を設定し、その女の子という存在を表すため、その壺を思い出しました。

人間の存在というのは一人だけで存在しているのではなくて、回りに認識されていることも必要だと思っています。 そして死んだとき体を焼かれてもなお、しばらくの間は人々の記憶や遺物などがその人をぼんやりと形づくっていると。

この壺の主のサチコはすでに死んでいて、その中にはかつて彼女を構成していたものたちがいるのです。

壺の正面に当たるところに壺内の内容物が記されています。（下記）